チェコ労働・社会省がこのほど発表した国内賃金統計によると、2010年上半期における国内賃金の中央値は前年同期比で約2%上昇した。民間部門の就労者では2万992コルナから2万1,420コルナに、国家・地方公務員では2万2,923コルナから2万3,380コルナに増加した。
\多くの所得層で賃金が上昇したなか、民間就労者の賃金下位10%層ではやや低下し、低賃金労働が増えていることがうかがわれる。この層の最高賃金は1年前より4コルナ少ない1万2,213コルナだった。公共部門の下位10%層では726コルナ高い1万3,948コルナだった。賃金上位10%層の平均賃金は、民間企業が590コルナ多い4万1,388コルナに、公共部門では805コルナ多い3万6,679コルナだった。時給の中央値は民間部門が121.51コルナ、公共部門が133コルナで、いずれも前年同期を1.8%上回った。
\国内大手銀行CSOBのアナリスト、デュフェク氏は、「民間部門の賃金上昇はチェコの経済回復を反映」したものとみる。また、残業時間が増え、病欠日数や休暇取得日数が減少していることも、回復を裏付ける材料としている。一方、公務員賃金はドラベク(Drabek)労働相が2011年から10%の引き下げを提案しており、上昇に急ブレーキがかかりそうだ。(1CZK=4.55JPY)
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