2010/1/20

ロシア

アフトワズ、09年生産台数は6割減

この記事の要約

ロシアの自動車最大手アフトワズは13日、2009年の生産台数が計33万7,784台にとどまったと明らかにした。前年に比べ64%少ない水準。政府は公用車の購入台数増加や購入者の自動車ローン金利の一部負担、輸入自動車への関税 […]

ロシアの自動車最大手アフトワズは13日、2009年の生産台数が計33万7,784台にとどまったと明らかにした。前年に比べ64%少ない水準。政府は公用車の購入台数増加や購入者の自動車ローン金利の一部負担、輸入自動車への関税引き上げなど、同社の販売支援策を次々と打ち出したが、競争力のなさは埋めようがなく年間を通じて生産は低迷した。同社は今年、前年比47%増となる49万7,000台の生産目標を立ててV字回復を目指しているが、市場では懐疑的な見方を示す向きが多い。

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生産台数の内訳は、完成車が29万4,737台、組立用部品セットが4万3,047台。車種別では、格安車「プリオラ」が約9万1,000台で最も多かった。

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同社をめぐっては、代金の支払いが滞ったことを理由に、部品メーカーが数度にわたり部品供給を停止。同社の負債総額は10月初めで600億ルーブルを超え、経営危機がささやかれた。だが、政府は3月に決めた250億ルーブルに続き、年末に追加で400億ルーブルの財政支援を実施し、この資金で同社は生き永らえている。ただ、同社の09年通期損益は「莫大な額の赤字」(経済紙『コメルサント』)になったもようで、政府が再び支援を迫られる可能性もありそうだ。

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市場では、1.5倍増の生産計画を立てる今年の同社の見通しについても、「3月から実施される新車買い替え奨励策の効果などを見込んでいるのだろうが、競争は非常に厳しい」(金融調査会社メトロポールアナリスト、ロシュコフ氏)と実現性の薄さを指摘する声が多い。同業Otkrytieのタチェンニコフ氏は「同社を救う方法はただ一つ、モデルをすべて刷新すること。だが、仏ルノーとの新モデル生産開始予定は2012年でしかない」と語り、今年も販売低迷が続く可能性を示唆した。(1RUB=3.1JPY)

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