2010/1/20

CIS諸国

ウクライナ大統領選、前・現首相の決選投票へ

この記事の要約

ウクライナで17日、大統領選挙が実施され、開票の結果、親ロシア派の野党・地域党党首で前首相のヤヌコビッチ氏が首位に立った。ただ、当選に必要な得票率50%には及ばず、2位につけるティモシェンコ現首相と決選投票で争うことが確 […]

ウクライナで17日、大統領選挙が実施され、開票の結果、親ロシア派の野党・地域党党首で前首相のヤヌコビッチ氏が首位に立った。ただ、当選に必要な得票率50%には及ばず、2位につけるティモシェンコ現首相と決選投票で争うことが確定した。決選投票は2月7日に行われる。

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投票率は約67%と、2004年に行われた大統領選第1回目投票時に比べ8%低い水準。得票率はヤヌコビッチ前首相が35.4%、ティモシェンコ現首相が25.0%と他の候補者に抜きん出た。現職大統領のユーシェンコ氏は5.5%と18人の立候補者の中で5位に沈み、敗退した。

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選挙戦では、ティモシェンコ氏が「大統領に当選すれば、5年以内の欧州連合(EU)加盟に全力を尽くす」とアピール。一方のヤヌコビッチ氏も欧州との通商関係強化を訴えているほか、2人ともロシアとの関係改善を唱えており、主張には共通点が多い。それでも両者に対する支持は地域で明確に分かれ、首都キエフをはじめ北中部、西部のほとんどの州でティモシェンコ氏が得票率首位となったのに対し、ヤヌコビッチ氏はロシア系市民の多い東部、南部で圧倒的な票を集めてティモシェンコ氏からリードを奪った。

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決選投票では、1回目投票でティモシェンコ氏に250万票以上の差をつけたヤヌコビッチ氏が優位と見る向きが多い。だが、在キエフのラズムコフ経済政治研究センターでは、「ユーシェンコ票はティモシェンコ氏に流れる可能性が高く、ティモシェンコ氏にも勝つチャンスはある」と指摘する。焦点となりそうなのは、1回目投票で得票率13.1%、両者に続く3位につけたティギプコ元中銀総裁の票の行方。同氏は西部を除く各地方で10%以上の票を獲得。また04年大統領選ではヤヌコビッチ氏の選挙対策委員長を務め、08年にはティモシェンコ氏の顧問に就任するなど、両者に接点がある。ヤヌコビッチ、ティモシェンコ両陣営ともティギプコ氏との協力について明らかにしていないが、ティギプコ陣営からは「協力には、首相ポストの約束が条件になる」との声が漏れているという。

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