2010/2/3

総合・マクロ

ガスプロムとハンガリー開銀、サウス・ストリームで合弁設立

この記事の要約

ロシア国営ガス企業ガスプロムとハンガリー開発銀行は1月29日、ロシア産天然ガスを黒海経由で欧州に輸送する新パイプライン「サウス・ストリーム」を運営する合弁会社の設立で合意した。資本金は5,000万フォリント(約2,340 […]

ロシア国営ガス企業ガスプロムとハンガリー開発銀行は1月29日、ロシア産天然ガスを黒海経由で欧州に輸送する新パイプライン「サウス・ストリーム」を運営する合弁会社の設立で合意した。資本金は5,000万フォリント(約2,340万円)で、両社が折半で出資する。同パイプラインは年内の着工、2015年の稼働を目指しており、実現に向け着実に進んでいる様子だ。

\

サウス・ストリームはロシアから黒海海底を通ってブルガリアに上陸、ブルガリアから先はギリシャ、南イタリアに向かう南ルートと、セルビア、ハンガリー、北イタリア方面に伸びる北ルートの二手に分かれる大規模パイプライン。年間輸送能力は630億立方メートルで、ガスプロムと伊石油大手エニが計画を主導する。これまでにパイプラインのルート上に当たるすべての国が計画を承認したほか、昨年12月にはフランスも参画の意思を示した。

\

今回ガスプロムとハンガリー開銀が設立した合弁会社は、サウス・ストリームのハンガリー区間について、実現に向けた予備調査や資金調達、建設、運営管理まで請け負う。設立合意を受けてガスプロムのメドベージェフ副社長は「サウス・ストリームは欧州市場にとり、ロシアのガス供給の信頼と融通をさらに高める安全装置となる」とパイプライン建設の意義を強調した。

\

欧州連合(EU)では、ロシアへのエネルギー依存度を引き下げる目的で、中央アジアや中東諸国を供給源とするガスパイプライン「ナブッコ」の建設を計画している。欧州に入ってからの計画ルートはサウス・ストリームにほぼ重なり、この2つの計画は競合するとみられているが、ナブッコは供給国、通過国との協議が依然まとまらず、サウス・ストリームに比べて大きく出遅れている。

\
ロシア
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |