2010/2/3

ポーランド

トゥスク首相、今秋の大統領選に不出馬表明

この記事の要約

ポーランドのトゥスク首相は1月29日、ワルシャワ証券取引所で開いた記者会見で、今秋に実施される大統領選挙に出馬しない意向を表明した。首相は高い支持率を誇り、次期大統領の最有力候補とみられていた。首相の母体政党「市民プラッ […]

ポーランドのトゥスク首相は1月29日、ワルシャワ証券取引所で開いた記者会見で、今秋に実施される大統領選挙に出馬しない意向を表明した。首相は高い支持率を誇り、次期大統領の最有力候補とみられていた。首相の母体政党「市民プラットフォーム(PO)」は2月2週目にも党の大統領選候補者を決定するとしており、シコルスキ外相やコモロウスキ下院議長らの名前が候補に挙がっている。

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首相は不出馬の理由を、大統領の役割の多くが儀礼的なものであると説明。「大統領宮殿で暮らすより、首相でいたほうが多くのことができる」と述べ、経済成長の持続と財政赤字の削減に引き続き取り組む姿勢を示した。

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ポーランドは経済危機が襲った2009年も、欧州連合(EU)加盟国中で唯一のプラス成長を確保。だが、財政赤字は国内総生産(GDP)比で6.3%、今年も6.0%と、欧州単一通貨ユーロの導入基準の倍以上の水準に上る。首相はこの日の会見で、2013年までに単年度財政赤字をGDP比3%以内に抑制するため、裁量的歳出の伸びに年1%の上限を設けるなどの案を検討していると明らかにした。

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トゥスク内閣はこれまでも、歳出面で負担の大きい年金や健康保険部門の改革法を成立させたが、カチンスキ大統領が拒否権を行使し、実施できていない。大統領はユーロ導入についても「時期尚早」と慎重な姿勢を崩さず、ユーロ導入に必要な法改正が提出されれば拒否する意向を示している。POは政策遂行のため大統領選に勝利する必要があり、出馬が確実視されるカチンスキ大統領に勝てる候補の選出が今後の焦点となる。

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