2010/2/3

ロシア

住金と住商、「ノルド・ストリーム」向け鋼管を受注

この記事の要約

住友金属工業と住友商事は1月26日、ロシア産天然ガスをバルト海経由でドイツに供給するガスパイプライン「ノルド・ストリーム」向け大径溶接鋼管の受注が内定したと発表した。契約金額は約9,100万ユーロ(118億円)で、今後数 […]

住友金属工業と住友商事は1月26日、ロシア産天然ガスをバルト海経由でドイツに供給するガスパイプライン「ノルド・ストリーム」向け大径溶接鋼管の受注が内定したと発表した。契約金額は約9,100万ユーロ(118億円)で、今後数週間以内に正式な契約を結ぶ。今年9月から現地に納入を開始する。

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ノルド・ストリームはロシア北西部のヴィボルクからドイツ北東部のグライフスワルトまで、約1,220キロメートルに及ぶ海底ガスパイプラインを2本敷設する計画。住金と住商は、この2本目に当たるパイプラインの110キロ分を供給する。受注内定した鋼管のサイズは内径1,153ミリ、厚さは30.9ミリで、住金が製造、住商がコーティング加工を担当。残り1,100キロ分は独露の鋼管メーカーであるユーロパイプ、OMKがパイプラインの製造を行う。

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日系企業によるノルド・ストリーム向けの鋼管受注は今回が初めて。2007年には1本目のパイプライン入札が行われたが日本勢は敗退、ノルド・ストリーム運営会社(NSAG)に出資する独露両国の鋼管メーカーに受注を独占されていた。だが今回、NSAGのプロジェクト担当役員であるKothe氏は「住金はオフショアプロジェクトへの供給実績が豊富」と評価、発注を決めたという。

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ノルド・ストリームは昨年末までに関係国の承認をすべて取得。4月1日にまず1本目を着工、続いて2011年春に2本目の建設を開始し、1本目は11年末の稼働を予定する。同パイプラインの輸送能力は1本当たり年間275億立方メートル。

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