2010/1/27

コーヒーブレイク

人口増加大作戦~ロシア

この記事の要約

ロシアのゴリコワ健康・社会発展相はこのほど、2009年末の国内総人口が前年から1万5,000~2万5,000人程度増え、約1億4,190万人になったと発表した。ロシアの人口純増は1995年以来。人口減少に苦しむ同国にとっ […]

ロシアのゴリコワ健康・社会発展相はこのほど、2009年末の国内総人口が前年から1万5,000~2万5,000人程度増え、約1億4,190万人になったと発表した。ロシアの人口純増は1995年以来。人口減少に苦しむ同国にとってはめでたいニュースとなったが、喜んでばかりもいられないようだ。

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その理由は、ソ連崩壊以来すでに600万人の人口が減少。妊娠に最も適しているとみられる20代女性の人口比率は現在の8.6%から2020年には4.8%まで低下する計算で、見通しは決して明るくない。

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このため政府、与野党の各幹部はこの対策を協議したが、気勢を上げたのが極端な発言で有名な野党・自由民主党のジリノフスキー党首。まず「ロシアは08年、出生数171万4,000人に対し、堕胎は123万4,000件。世界で最も堕胎が多い国だ」と事実を挙げ、「出産一時金として子ども1人産むごとに10万ルーブル支給すればいい。堕胎を考えていた女性の半数は思い直すはずだ」と主張。さらに「全世界的に男性の生殖機能低下が著しい。女性でなく、男性向けの不妊治療を集中支援せよ」「ロシアの30%の子供が婚外子。ならば、複数婚を認めて家族を多く持てばいい」など独自の理論を展開した。

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突拍子もないといえばそれまでだが、何も対策がとられなければ2050年に1億1,180万人程度まで人口が減ると試算されているロシア。人口減少に歯止めをかけるには、劇的な政策も必要かもしれない。

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