2010/2/10

ポーランド

独化学企業グループ、ポーランド2社買収で交渉

この記事の要約

ポーランドの国営持ち株会社ナフタ・ポルスカは3日、国内化学大手のAzotyタルヌフ、ZAK(旧称コンジエジン)の売却について、ドイツの化学・エネルギー企業グループPCCと独占交渉を開始したと発表した。交渉期限は3月22日 […]

ポーランドの国営持ち株会社ナフタ・ポルスカは3日、国内化学大手のAzotyタルヌフ、ZAK(旧称コンジエジン)の売却について、ドイツの化学・エネルギー企業グループPCCと独占交渉を開始したと発表した。交渉期限は3月22日。PCCはさらに、ナフタが放出を計画するカセイソーダ欧州2位Ciechの株式37%の取得でも、優位に立っているようだ。

\

ポーランド政府は財政赤字を穴埋めするため、政府保有株式の売却を推進。株式売却による収入を今年は前年比4倍となる300億ズロチに伸ばす計画で、民営化が遅れている化学業界に焦点が当たっている。

\

タルヌフはポリアミド(PA)やポリアセタール(POM)などの高機能樹脂生産に強みを持ち、ZAKは化学肥料の大手。政府はタルヌフの株式53%、ZAKの86%を売却する。タルヌフの時価総額は5億8,300万ズロチだが、日刊紙『ジェチポスポリタ』などによると、PCCはタルヌフに対し市場価格に約14%のプレミアムを上乗せした3億5,200万ズロチ、株式非上場のZAKには7,000万ズロチ程度を取得額として提示したもよう。両社は2009年通期最終損益がそれぞれ赤字に転落、タルヌフは1,000万ズロチ、ZAKは6,000万ズロチ程度の赤字になったという。

\

ナフタはこれまで、「タルヌフとZAK、Ciechは同一の企業に売却するのが望ましい」としており、PCCが両社の買収に成功すれば、Ciechの株式も取得できる公算が高い。ナフタはCiech株式の売却先をすでに3社に絞ったとされ、このうち1社がPCCであるとみられている。

\

政府はまた、Zaklady Azotowe Pulawy、Chemiczne Policeの化学肥料大手2社の売却も計画しており、上半期内に実施する方針だ。(1PLN=30.2JPY)

\