2010/2/24

ロシア

SBI、ロシアで銀行業に参入

この記事の要約

SBIホールディングスは19日、ロシア大手金融グループ・メトロポールから傘下の商業銀行オビバンクの株式50%を取得することで合意したと発表した。SBIはオビバンクにオンラインバンキングのノウハウを注入、ロシアでリテール向 […]

SBIホールディングスは19日、ロシア大手金融グループ・メトロポールから傘下の商業銀行オビバンクの株式50%を取得することで合意したと発表した。SBIはオビバンクにオンラインバンキングのノウハウを注入、ロシアでリテール向けオンラインバンキング・サービスを開始する。ロシア日刊紙『コメルサント』によると、SBIは将来的に、オビバンクを通じて証券取引事業にも参入したい考えがあるという。

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メトロポールのスリペンチュク社長が『コメルサント』紙に語ったところによると、同社は中銀の承認が下り次第、まずオビバンクの株式25%プラス1株を譲渡。その後、1年以内をめどにSBIが残り株式を買い取る。取引額は明らかにされていない。

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同行は2009年9月末時点の総資産が約109億8,900万ルーブルと国内100位以下。同年1-9月期の税引き前利益は前年同期比24.3%減の3,100万ルーブル、純利益は2.2倍増の1,600万ルーブル。

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SBIは08年、メトロポールとロシアの未公開企業に投資する投資ファンドを設立したほか、09年からSBI証券でロシア株の個別取引の取り扱いを開始するなど、ロシア事業を拡大してきた。ロシアに拠点を持って事業を行う邦銀は、みずほコーポレート、三菱東京UFJ、三井住友、トヨタ銀行に次いで5行目。このうちリテール事業の展開に不可欠な預金保険機構の加入を果たしているのは、みずほコーポレートとSBI(オビバンク)だけとなっている。

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ただ、この取り引きにはメトロポールがSBIに譲渡するオビバンク株式を買い戻せるオプションも付いているもよう。市場からは「ロシアの顧客はインターネットでの金融取引に慣れておらず、店頭での面談を望む傾向が強い」(ロシア国際銀行ボロビヨフ氏)など、オンラインバンキング戦略を採るSBIの成功を危ぶむ声が上がっており、買い戻しオプションは事業失敗時に備えたSBIの“保険”であるとみる向きもある。(1RUB=3.0JPY)

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