2010/2/24

CIS諸国

ウクライナ、旧ソ連3カ国の関税同盟参加を検討

この記事の要約

ウクライナが、今年1月に発足したロシア、ベラルーシ、カザフスタンの3カ国関税同盟への参加を検討している。ロシア日刊紙『コメルサント』が17日付で、「ヤヌコビッチ新大統領のチームが、関税同盟参加に向けて真剣に準備を進めてい […]

ウクライナが、今年1月に発足したロシア、ベラルーシ、カザフスタンの3カ国関税同盟への参加を検討している。ロシア日刊紙『コメルサント』が17日付で、「ヤヌコビッチ新大統領のチームが、関税同盟参加に向けて真剣に準備を進めている」と話す政府高官のコメントを紹介。新大統領の母体政党・地域党幹部はこの事実を認めつつ、ウクライナが世界貿易機関(WTO)の加盟国であることから「正式加盟でなく、WTOの規則に反しない範囲で加盟する」と証言した。

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同紙によると、まずティモシェンコ首相が与党内の会合で、ロシアがウクライナ向けガス販売価格を20~30%引き下げる条件で、ウクライナの関税同盟加盟に新大統領が合意したと発言。これに対し、地域党のプロトニコフ議会国際経済・政治問題委員会委員長は「ロシアとそのような交渉を行ったとは聞いていない」と否定した。ただ、同党のキナフ下院議員副会長は「関税同盟はウクライナにとって重要な存在。WTOのルールに反することはできないが、国益の観点から何らかの形でもちろん参加する」と語り、参加に意欲を示した。

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関税同盟では、ロシアがベラルーシに、同国の国内需要に相当する量の原油輸出について非関税とする優遇措置を提案。ベラルーシはこれに満足せず、原油全量を非関税とするよう求めている。ウクライナも加盟により、安価にロシア産エネルギーを調達したい思惑があるとみられる。

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一方、ヤヌコビッチ新大統領は17日付の『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に寄稿し、欧州連合(EU)加盟を目指す考えを改めて表明。同氏は「我々は、西(欧州連合)と東(ロシア)の間で、誤った選択をするべきではない。地政学的な利点を活用し、東西の懸け橋になるべきだ」と述べ、全方位外交を志向する考えを明らかにした。新大統領は25日に就任式を行い、正式に大統領に就任する。

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