2010/3/10

総合・マクロ

ロシア、欧州向け送ガス管敷設でクロアチアと合意

この記事の要約

ロシアとクロアチアは2日、ロシア産天然ガスを黒海経由で南欧に輸送するパイプライン「サウス・ストリーム」をクロアチア国内に敷設する合意文書に調印した。ロシアはこれでサウス・ストリームの通過国6カ国から同意を取り付けたことに […]

ロシアとクロアチアは2日、ロシア産天然ガスを黒海経由で南欧に輸送するパイプライン「サウス・ストリーム」をクロアチア国内に敷設する合意文書に調印した。ロシアはこれでサウス・ストリームの通過国6カ国から同意を取り付けたことになり、構想実現に向けさらに一歩前進した。

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プーチン首相は調印式後の記者会見で、サウス・ストリームにはブルガリア、セルビア、ハンガリー、スロベニア、ギリシャが参加を決めており、国際的に幅広い支持を得ていることを指摘。同プロジェクトは「欧州におけるエネルギーの安定供給に貢献するものだ」と意義を強調した。クロアチアのコソル首相は、パイプラインの敷設は両国が折半出資する合弁会社によって行われることを明らかにした上で、「詳細については今後協議する」と述べた。

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クロアチアの年間ガス消費量は32億立方メートル。6割は自国で生産し、残りをロシアからの輸入に頼っている。ロシアは07年、クロアチアにサウス・ストリームへの参加を打診したが、当時のサナデル政権はこれを拒否。昨年7月に突如辞任したサナデル首相の後任にコソル首相が就任してから方針転換し、12月にはメシッチ大統領がモスクワを訪問、プロジェクト参加について協議していた。

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サウス・ストリームはロシアから黒海海底を通ってブルガリア経由でイタリアに到達する総延長約900キローメートルのガスパイプラインで、年間輸送能力は310億立方メートル。ロシア国営のガスプロムと伊石油大手ENIが総工費100億ユーロをかけ、2013年までの稼働を目指している。昨年11月にはフランス電力公社(EDF)がプロジェクトへの参加を表明した。

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