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2010/3/10

ハンガリー

ハンガリー最大手銀OTPが黒字転換

この記事の要約

ハンガリーの銀行最大手OTPが2日発表した2009年10-12月期決算は、純利益が204億1,100万フォリントと、前年同期の606億7,700万フォリントの赤字から黒字に転換した。ウクライナ、セルビア、スロバキア子会社 […]

ハンガリーの銀行最大手OTPが2日発表した2009年10-12月期決算は、純利益が204億1,100万フォリントと、前年同期の606億7,700万フォリントの赤字から黒字に転換した。ウクライナ、セルビア、スロバキア子会社の不振が続いたが、ハンガリー本国の業績が好転。セルビアで支店数を半減させるなどコスト削減も寄与した。経常収益は4%減の2,025億7,400万フォリント。

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ハンガリー事業の純利益は前年同期比44%増の375億5,500万フォリントに拡大した。ただ、融資総額に占める90日以上の延滞債権比率(不良債権比率)が33.7%に達したセルビア、22.3%のウクライナなどで多額の貸倒引当金計上を迫られ、グループ全体の引当金計上額は前期比でも20%増の797億7,400万フォリントに上った。グループの不良債権比率は7.4%。

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セルビア事業は不良債権に対する引当率が40%に過ぎず、今後さらに損失が拡大するとみられている。同行はセルビア子会社の売却を模索していたが、決算発表の会見でCsanyi頭取は売却を取りやめたと表明。自力で業績を立て直し、今後5年間で現在2.4%にとどまっている市場シェアを5%まで伸ばす考えを披露した。

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同頭取は、同行がティア1自己資本比率13.8%と高い水準を保ち、60億ユーロ以上の流動性資金を確保していると強調した上で、「すでに事業を展開している国で、機会があれば買収に乗り出す」と拡大路線を推進する姿勢を示した。同行は中東欧9カ国で事業を展開している。同行はこれまで、前年の決算発表時に次年の利益目標を打ち出してきたが、今年は「リスクコストがどれだけ膨らむか、現段階で把握できない」(頭取)として、発表を見送った。(1HUF=0.45JPY)

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