2010/4/28

ポーランド

欧州委、ポーランドの第2期排出計画を承認

この記事の要約

欧州委員会は19日、ポーランド政府が新たに策定した二酸化炭素(CO2)排出量取引制度の第2期国内排出割当計画(NAP)を承認したと発表した。2008-12年の排出割当総量は年間2億850万トンに設定される。ポーランド環境 […]

欧州委員会は19日、ポーランド政府が新たに策定した二酸化炭素(CO2)排出量取引制度の第2期国内排出割当計画(NAP)を承認したと発表した。2008-12年の排出割当総量は年間2億850万トンに設定される。ポーランド環境省は欧州委の承認を受け、同日から約800の対象施設への排出枠の割り当てを開始する方針を明らかにした。

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ポーランド政府は06年に第2期NAPを提出したが、欧州委は排出割当総量(年間2億8,460万トン)が前年の実績を大幅に上回る水準に設定された点を問題視し、当初案を26.7%削減して2億850万トンとするよう命じた。

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ポーランド側はこれに対し、経済成長を維持するうえで最低限必要な排出枠を認めない欧州委の判断は誤りなどと反論。07年にチェコやハンガリーなどと相前後して欧州司法裁判所の第一審裁判所に提訴した。同裁判所は昨年9月、自国産業への排出割当を決定する権限は各国政府にあり、欧州委が割当総量の大幅な削減を義務付けたのは「越権行為」にあたると結論づけ、ポーランドとエストニアに対する命令を無効とする判決を言い渡した。しかし欧州委は12月、判決を不服として欧州司法裁に上訴するとともに、ポーランドの当初案を拒否する決定を改めて承認。ポーランド政府は経済危機の影響による生産活動の停滞で、昨年はCO2排出量が大幅に減少した点などを踏まえ、今月9日に欧州委の指示に沿って修正した割当計画を提出していた。

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欧州委のヘデゴー委員(気候変動担当)は声明で「ポーランド政府から他の加盟国と同様の手法で策定した排出割当計画が提出されたことを歓迎する。欧州委の承認によってポーランド企業および排出量取引制度をめぐる不確定要素が取り除かれることになる」と強調した。

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排出量取引制度の第2期NAPをめぐっては、欧州委を提訴した中・東欧9カ国のうち、チェコ、ハンガリー、ルーマニア、ラトビア、リトアニアの事案が現在も審理中。一方、スロバキアは08年、ブルガリアは今年3月に訴えを取り下げている。

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