2010/5/5

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニアが3億トンの排出権売却準備

この記事の要約

ルーマニアが京都議定書で定める温暖化ガス排出権(AAU)の売却に本腰を入れる。政府は4月28日までに、排出権売却で得た資金を環境対策に充てる「グリーン投資スキーム」(GIS)を整備。議定書の第1約束期間が終了する2012 […]

ルーマニアが京都議定書で定める温暖化ガス排出権(AAU)の売却に本腰を入れる。政府は4月28日までに、排出権売却で得た資金を環境対策に充てる「グリーン投資スキーム」(GIS)を整備。議定書の第1約束期間が終了する2012年までに3億トンの排出権を売却したいとしており、年内にも最初の取引を成立させたい考えだ。

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ルーマニアは2012年までに、1989年比で8%の温暖化ガス排出量削減を義務付けられている。だが、実際は2008年時点で同48%の削減を達成。売却可能な排出権が多数生じる見通しだ。

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政府は取引を推進するため、経済、財政、環境、外務の4省からなる作業部会を発足させ、取引相手との窓口とする。ヴィデアヌ経済相は売却先候補として「日本や他の欧州諸国」を挙げ、10~20億ユーロの売却益を見込んでいると明らかにした。

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排出権売却で得た資金は98%を環境プロジェクトに、2%を啓発キャンペーンに振り向ける。環境プロジェクトでは、石炭ガス化など環境技術開発、再生可能エネルギーやハイブリッド・電気自動車の普及支援、発電所の改修や刷新、緑地化や水処理改善などが計画されているという。

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ブルガリアも2億トン売却へ

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一方、ブルガリア政府も2012年までに2億トンのAAU売却を計画している。ロイターが伝えたところによると、年内だけで5億レフ(2億5,600万ユーロ)の売却益を見込んでいるという。

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ただ、同国はグリーン投資スキーム(GIS)の整備が遅れ、いまだに成立していない。ソシエテ・ジェネラルの排出権取引担当アナリストFages氏は、ウクライナの前政府が日本に排出権を売った資金を流用した疑惑が持ち上がっていることを引き合いに出しつつ、「売却益をきちんと環境分野に投資するという透明性の確保が必要」だとし、ブルガリアが売却計画を進めるにはGISの早期整備が欠かせないと指摘した。

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