2010/5/12

ポーランド

ポーランド首相、「ユーロ導入は優先課題でない」

この記事の要約

ポーランドのトゥスク首相は6日の記者会見で、2015年のユーロ導入目標を堅持するのかとの問いに対し「ユーロ導入は優先課題ではない」と述べた。同首相はユーロ導入推進派として知られるが、ギリシャの財政危機に端を発したユーロの […]

ポーランドのトゥスク首相は6日の記者会見で、2015年のユーロ導入目標を堅持するのかとの問いに対し「ユーロ導入は優先課題ではない」と述べた。同首相はユーロ導入推進派として知られるが、ギリシャの財政危機に端を発したユーロの信用低下を目の当たりにし、導入に慎重な姿勢に転じた様子。中東欧ではチェコでも導入反対論が高まっており、中東欧諸国の間で“ユーロ離れ”がみられている。

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ポーランド政府は2008年10月、トゥスク首相の肝いりで2012年のユーロ導入を目指すと決定。だが、金融危機の影響で財政赤字が急拡大、断念を余儀なくされた。その後、政府は新たな導入日程を決めていないが、政府内では「2015年が現実的」との声で一致していた。

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首相は「まずギリシャ危機の影響から国内経済を守ることが先決。ユーロ導入問題は、その後で話そう」と語り、ユーロ導入計画を当面棚上げする考えを示唆した。中銀のコジンスキ副総裁も「中東欧諸国は遅かれ早かれユーロを導入することになる」としつつ、「明確な導入時期を約束できる状況にない」と、政府に歩調を合わせた。

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ギリシャ発の経済危機が欧州全域に拡大するとの懸念が強まった6日、ポーランドの通貨ズロチは対ユーロで最大2.6%下落、他の中東欧通貨を上回る下落幅となった。この動きについてコジンスキ副総裁は「ズロチは他の中東欧通貨に比べ流動性があるため、変動幅が大きくなった。過度に注意することはない」と分析した。一方で「ズロチ安が行き過ぎた場合、中銀や他の機関が対抗措置を取る可能性がある」と述べ、今後の値動き次第で為替介入に踏み切ることもありうるとの見解を示した。

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