2010/5/26

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

米アルコアのルーマニア3工場、自動車部品3社が取得

この記事の要約

米アルミニウム大手アルコアがルーマニア国内で自動車部品用ワイヤーハーネスを生産していた3工場を、同業3社がそれぞれ取得したことが明らかになった。現地経済紙『ジアルル・フィナンチアル(ZF)』が24日、伝えた。3工場のなか […]

米アルミニウム大手アルコアがルーマニア国内で自動車部品用ワイヤーハーネスを生産していた3工場を、同業3社がそれぞれ取得したことが明らかになった。現地経済紙『ジアルル・フィナンチアル(ZF)』が24日、伝えた。3工場のなかで最新のベイウシュ工場は独レオニが買収済みだが、残るナダブ工場は独クロムベルグ・シューベルトに、カランセベシュ工場は住友電装に売却されたとしている。3社は取引額を公表していない。

\

3社ともすでにルーマニアに生産拠点を持っており、旧アルコア工場の取得でルーマニア事業を拡大させる。クロムベルグはティミショアラ、メディアシュに工場、シビウに研究センターを展開し、2008年の国内売上高は4,700万ユーロ。09年は経済危機で売り上げが落ち込み、主要工場のティミショアラで従業員数を3,000人から1,600人へと大幅に削減したばかりだが、「ティミショアラは人件費が高い。ナダブ工場のコストは安く、供給契約を引き継げるのも魅力だった」と同社のRosiuルーマニア法人社長は『ZF』紙に語った。同社は契約だけでなく、工場の設備や従業員もほぼそのまま引き継ぐという。

\

住友電装は、デバ、オラシュティエ、アルバ・ユリアのルーマニア国内3カ所で工場を操業する。3工場の09年売上高は前年比2割減の1億500万ユーロに縮小した。それでも、今年は業績回復を見込んで4番目の工場をフネドアラ県ブラドに開設し、200人を新規雇用すると明らかにしていた。同社にはポーランド工場の業務をルーマニアに移管する計画もあり、工場取得で生産拡大に対応する狙いがあるとみられる。

\

アルコアは昨年、自動車部品製造部門を米投資ファンドのプラチナ・エクイティ(PE)に売却。PEはチェコ工場を閉鎖したものの、ルーマニアの3工場については売却する方向で候補企業と協議を進め、5月上旬にはベイウシュ工場をレオニに譲渡した。

\
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |