2010/6/16

総合・マクロ

09年の対中東欧投資、前年から半減

この記事の要約

ウィーン経済研究所(WIIW)がまとめた2009年の中東欧地域向けの外国直接投資(FDI)は585億4,000万ユーロとなり、前年の1,109億6,600万ユーロから半減した。金融危機の影響を受け、特に金融セクターで外国 […]

ウィーン経済研究所(WIIW)がまとめた2009年の中東欧地域向けの外国直接投資(FDI)は585億4,000万ユーロとなり、前年の1,109億6,600万ユーロから半減した。金融危機の影響を受け、特に金融セクターで外国の親会社から同地域の子会社への投資が減少したことが響いた。減少幅が最も大きい地域は欧州連合(EU)加盟国で、03年の水準まで落ち込んだ。一方、EU非加盟の南東欧や独立国家共同体(CIS)欧州部への投資はそれぞれ、05年、06年の水準を上回った。

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地域別投資額を見ると、中東欧のEU加盟国(ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキア、スロベニア、ラトビア、エストニア、リトアニア、ルーマニア、ブルガリア)は前年比51%減の203億6,700万ユーロ。非加盟の南東欧(アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、マケドニア、モンテネグロ、セルビア)は37%減の54億6,900万ユーロに後退した。CIS欧州部(ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバ)は46%減の327億400万ユーロだった。

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中東欧のEU加盟国では、スロバキアとスロベニアで外国資本の撤退が進み、FDIが流出超過に転落。チェコ、ハンガリー、ラトビア、リトアニア向けFDIの減少幅も50%を大きく上回った。一方、ポーランド、エストニアの減少幅は比較的小幅にとどまった。

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WIIWは今年のFDIについて、地域全体では低成長にとどまると予想。ただ、ポーランドとロシアでは年明けから経済回復が顕著で、FDIも大幅に回復するとの見通しを示した。また、チェコ、ハンガリー、スロバキア、ウクライナでも回復が期待できるという。(関連記事『目で見る東欧経済』)

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