2010/6/16

ロシア

カリウム2位のウラルカリが身売り

この記事の要約

カリウム生産でロシア2位のウラルカリは14日、同社オーナーのルィボロフレフ氏が過半数の株式を国内3社に売却したことを明らかにした。3社は金生産最大手ポリュス、セメント大手ユーロセメント、銀最大手ポリメタルのそれぞれ関連企 […]

カリウム生産でロシア2位のウラルカリは14日、同社オーナーのルィボロフレフ氏が過半数の株式を国内3社に売却したことを明らかにした。3社は金生産最大手ポリュス、セメント大手ユーロセメント、銀最大手ポリメタルのそれぞれ関連企業。取引額は公表されていない。

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英字紙『モスコウ・タイムス』が取引に近い筋の情報として報じたところによると、ウラルカリの時価総額が約80億米ドルであるのに対し、取引に当たりプレミアムを上乗せして同社を約100億ドルと評価。ルィボロフレフ氏は株式53.2%を放出し、売却益53億ドルを得たという。3社への売却比率は、ポリュス大株主で上院議員のケリモフ氏率いるカリハ・ファイナンスに25%、ユーロセメントのガリチェフ社長が保有するBecouniocoホールディングスに15%、ポリメタルのネシス最高経営責任者(CEO)のAerelliaインベストメンツが13.2%。ルィボロフレフ氏は12.4%のウラルカリ株式を継続保有し、同社の経営に関与を続けるという。

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ウラルカリは不況による肥料需要の落ち込みを受けて、2009年のカリウム生産高が前年比45%減の260万トンに縮小。売上高は51.5%減の278億4,300万ルーブル、純利益は96.1%減の11億5,300万ルーブルに急減した。またルィボロフレフ氏は2006年に発生したカリウム鉱山事故で、政府が要求する賠償金の10分の1程度しか支払わなかったため、政府との関係が悪化。同社は税務当局から2005~06年に税金の未払いがあると指摘され、6億ルーブル以上の追徴課税を請求されている。さらにルィボロフレフ氏は離婚した前妻から巨額の慰謝料支払いを求められていることもあり、売却を決断したとされる。(1RUB=2.9JPY)

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