経営破たんしたブルガリア鉄鋼最大手クレミコフツィの事業清算が決まった。同社の管財人であるバンコフ氏は15日の現地ラジオ番組で、5月末に破産手続きを進めることを明らかにすると同時に、「資産売却の方法はまだ決まっておらず、買い手も現れていない」と説明した。
\クレミコフツィは旧共産主義体制下の巨大国営企業で、1999年に民営化された後、2008年夏に債務返済不能に陥った。企業の存続を模索する中、昨年秋に管財人団が事業再建計画を提示したが、国営電力NEK、ブルガルガスなど主要債権者の80%が拒否。環境対応措置が盛り込まれていないなどの問題点も指摘され、政府関係者は当時から再建が困難との見方を示していた。
\同社の負債総額は19億レフで、資産の市場価値は推定8億3,700万レフ。現地オンライン英字ニュースサイト『ソフィア・モーニング・ニュース』によると、これまでに約3,000人を解雇し、現在まだ3,170人が雇用関係にあるが、賃金未払い額は5,600万レフに上るという。(1BGN=56.9JPY)
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