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2010/9/1

チェコ・スロバキア

ネチャス政権、財政再建へ本腰

この記事の要約

チェコのネチャス首相率いる中道右派政権が先月10日、議会の信任を受け正式に発足した。同政権は、2016年の均衡財政達成を目指した抜本的な財政改革、年金医療改革や汚職の撲滅などを公約に掲げている。\ 最大の焦点となっている […]

チェコのネチャス首相率いる中道右派政権が先月10日、議会の信任を受け正式に発足した。同政権は、2016年の均衡財政達成を目指した抜本的な財政改革、年金医療改革や汚職の撲滅などを公約に掲げている。

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最大の焦点となっている財政赤字削減に向けては、公務員給与のカットや社会保障支出の抑制、住宅貯蓄の優遇制度の縮小などによって歳出削減を図る一方で、大学の学費有料化や賭博への課税強化などを通じて歳入の拡大を目指す。財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を11年に4.6%、13年に3%以下とし、16年には均衡財政を達成することを目標とする。

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財政再建に積極的に取り組む新政権の方針は、マーケットや格付け会社からは好感されているが、野党と労働組合は反発している。社会民主党や共産党など左派勢力は、新政権の政策は富裕層のみが恩恵を受けると批判、労組は抗議行動も辞さない構えをみせている。

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チェコ経済は世界金融危機による輸出の低迷で09年は前年比4%のマイナス成長となった。今年に入ってからは主要貿易相手国の景気回復に伴い持ち直しの動きがみられるものの、回復のペースは鈍く、今年の成長率は1.6%に止まると予想されている。

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