中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2010/9/1

CIS諸国

アゼルバイジャン国鉄、鉄道インフラ近代化

この記事の要約

アゼルバイジャン国鉄(ADDY)が大規模な鉄道インフラ近代化に乗り出す。首都バクーからトルコへ向かう新しい鉄道路線のほか、既存の線路や設備を近代化する。また、新型の機関車・車両の調達も計画されている。2013年までの投資 […]

アゼルバイジャン国鉄(ADDY)が大規模な鉄道インフラ近代化に乗り出す。首都バクーからトルコへ向かう新しい鉄道路線のほか、既存の線路や設備を近代化する。また、新型の機関車・車両の調達も計画されている。2013年までの投資額は約9億5,000万米ドルに上る見通し。

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プロジェクトの目玉である新鉄道路線「BKT線」は、バクーとグルジアの首都トビリシ、トルコ北東部のカルスを結ぶ。これにより、欧州とアジアの鉄道網が連結されるため、貨物輸送の需要が見込まれる。中国は早くも「開通すれば年1,000万トンの貨物をカスピ海地方に輸送できる」と関心を示している。

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BKT線はトルコの76キロ区間、グルジアの29キロ区間を新設。残る区間は既存線を更新する。すでに着工しており、来年末の開通を予定する。完成すると、バクーからグルジア国境までの走行時間は現在の24時間から12時間に半減する。

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アゼルバイジャン国内におけるインフラ近代化では、317キロメートルの既存路線で分岐器、信号設備を一新し、架線電圧を25キロボルトに変更する。また、電気機関車50両、旅客車両25台、オイルタンク車両300台を新たに購入するほか、旅客車両20台を改修する。ADDYはこれらの事業によって、機関車の稼働率を45%から75%に引き上げ、機関車1両当たりの輸送能力を59トンキロメートルから260トンキロメートルに拡大する計画。徐行路線の比率を65%から20%に減らし、平均速度を旅客輸送で時速100キロメートル、貨物輸送で時速80キロメートルに引き上げる。

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同プロジェクトに対しては、世界銀行が4億5,000万ドル、チェコ輸出銀行が2億8,000万ドルの融資を決めている。

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なお、ADDYの今年上半期利益は、前年同期比7.9%増の650万マナトだった。売上高8,230万マナトに対し、支出は7,580万マナトとなり、黒字を確保した。(1AZM=●JPY)

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