今年の中東欧のクリスマス商戦は、金融危機の影響で消費が大幅に落ち込んだ昨年からやや回復する傾向にある。ただ、経済の動向や国民性により、各国間に差が出ている。
\金融危機の打撃をまともに受けたハンガリーは、クリスマス商戦の売上高が前年よりわずかながらも増加する見通しだ。消費調査機関GfKハンガリーは、12月の売上高と1-11月の1月あたり売上高の差は、昨年の11%を大きく上回ると見込む。
\一方、チェコでは今年もクリスマス商戦売上高が低下するもようだ。大手会計事務所のデロイトによると、縮小幅は約2%となる見通し。しかし、オーストリア商工会議所のプラハ事務所では、「欧州全体で平均2.5%の後退が予想されていることを考慮すれば上出来」と分析している。
\ポーランドでは、国民の大部分が「やりくりが厳しくなった」とみているのにもかかわらず、クリスマス支出は2けた成長が見込まれている(デロイト調査)。食事を含めた世帯あたりの支出予定額は1,800ズロチ(448ユーロ)で、うち730ズロチ(180ユーロ)が贈り物用だ。プレゼントの1番人気は化粧品で、香水、書籍がこれに続いている。
\スロバキア小売業界は前年実績をやや下回ると予想している。経済がプラス成長し、インフレ率も1%の低水準にとどまっているが、経済危機の経験で消費者の財布のひもが固くなっているようだ。
\ルーマニアとブルガリアでは長引く不景気がクリスマス商戦に影を落としている。ただ、西欧諸国などと比べると、両国ではクリスマスは「特別」で、多少無理をしてもプレゼントを贈る傾向にある。このため、終盤に売上が伸びる可能性も指摘されている。
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