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2011/2/9

ハンガリー

中国の化学大手、ボルショドケムを買収

この記事の要約

中国の化学メーカー、万華実業集団は1日、ハンガリー同業のボルショドケム(BorsodChem)の株式96%を取得したと発表した。同社は昨年6月にボルショドケム株38%を取得。今回は残り株取得のオプションを行使した。買収総 […]

中国の化学メーカー、万華実業集団は1日、ハンガリー同業のボルショドケム(BorsodChem)の株式96%を取得したと発表した。同社は昨年6月にボルショドケム株38%を取得。今回は残り株取得のオプションを行使した。買収総額は12億3,000万ユーロ。英投資会社ペルミラと墺ヴィエンナ・キャピタル・パートナーズ(VCP)から買収した。残り4%はボルショドケムの債権者が保有している。

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ボルショドケムはポリウレタン原料のイソシアネートのうち、トリレンジイソシアネート(TDI)の生産で欧州2位、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)で同5位のシェアを持つ。一方、万華はMDI生産でアジア最大手であり、今回の買収で世界3位のイソシアネートメーカーに躍り出る。

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万華とペルミラ・VCPは昨年3月、経済危機からの再建を進めるボルショドケムに万華が総額1億4,000万ユーロの資金提供を行う見返りに、ペルミラとVCPが保有するボルショド株式の購入権を確保することで合意した。万華は同合意に従い、6月に株式38%を取得。ボルショドケムが抱える約10億ユーロの負債の一部も肩代わりした。

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万華は今後、中国銀行が幹事を務める銀行団からの融資を活用し、ハンガリー北東部カズィンツバルツィカにあるボルショドケムの生産拠点を拡張し、欧州事業を強化していく方針だ。

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