ハンガリー製薬最大手のゲデオン・リヒターが8日発表した2010年12月期の純利益(国際会計基準)は32.7%増の677億フォリントに急増した。収入の増加と売上構成の改善が奏功した。
\売上高は3%増の2,753億フォリント(9億9,820万ユーロ)。売上原価が7.7%減の1,075億フォリントに縮小したため、粗利益は11.2%増の1,678億フォリントに拡大した。営業利益も21.2%増の636億フォリントに増加した。
\医薬品売上高は2,381億フォリントで、国内売上高は6.2%増の323億フォリントとなった。欧州連合諸国への輸出高は1%増の633億フォリントだったが、このうちポーランドは183億フォリントと前期実績を11.1%も下回った。一方、ルーマニアは10.8%増の81億フォリントと好調だった。独立国家共同体(CIS)向けは21%増の1,001億フォリントに急成長した。主要市場のロシアで16.2%増の703億フォリントだったほか、ウクライナでは47.7%増の120億フォリントに上った。米国売上高は17.7%減の294億フォリントに縮小した。
\営業・販売費は9.7%増の590億フォリント、一般管理費は26.7%増の219億フォリントに増加。研究開発費は15.4%増の272億フォリントだった。
\設備投資は884億フォリントで前期から242億フォリント増加。このうち、グルーネンタール(ドイツ)の経口避妊薬事業の買収費用が654億フォリント、研究開発設備が74億フォリントを占めた。
\税引き前利益は26.3%増の719億フォリント。一株利益は前期の2,740フォリントから3,635フォリントへ上昇した。
\期末時点の資産総額は5,383億フォリントで前期末から35.8%増加した。純資産は16.2%増の4,400億フォリントだった。
\株主配当には例年通り、利益(ハンガリー会計基準)の25%を充てる予定だ。
\ \■10-12月期は減収減益
\ \2010年10-12月期の純利益は23.8%減の102億フォリントだった。売上高は15.1%減の596億フォリント。ロシアの医薬品規制変更を前に、同国への出荷が7-9月期に急増した反動が表れた。営業利益は27.7%減の98億フォリント、税引き前利益は26%減の108億フォリントだった。
\ \■2011年は営業利益率が悪化
\ \ボグシュ社長の2011年通期見通しによると、営業経費の上昇で営業利益率は23.1%から16%に縮小する。有形資産投資が240億フォリントとなる一方、開発の進捗度を基準に支払うマイルストーン・ペイメントはない。研究開発費は売上高の12~13%に上る。非定型抗精神病薬「カリプラジン」の第3相臨床試験(フェーズ3)の結果は第4四半期に出る予定だ。
\なお、スイス子会社・プレグレムの子宮筋腫治療薬「Esmya」の発売は来年上半期となる見込み。(1HUF=0.42JPY)
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