仏石油大手トタルがロシアのオフショア鉱区開発に参加することを狙っている。ロシア子会社のPierre Nerguararian代表によると、トタルは現在、露石油最大手ロスネフチと北極圏バレンツ海および黒海の石油資源開発を共同で行う方向で提携交渉を進めているという。17日付『モスクワ・タイムズ』紙が報じた。
\欧米の石油メジャーはこのところ、相次いでロシアの海底資源開発への参加を表明している。今年に入り、英BPと米エクソンモービルがそれぞれ北極圏、黒海の資源開発でロスネフチと提携すると発表。また、米シェブロンは昨年6月に、ロスネフチと合弁会社を設立し、黒海の鉱区を共同開発することで合意している。内陸部で新たな鉱区を発見することが年々、困難になっていることが背景にある。欧州3位のトタルもロスネフチとの提携を実現し、競合と歩調を合わせたい考えだ。
\黒海ではすでに沿岸国のトルコやルーマニア、ブルガリアが鉱区探査を実施しており、短期間で成果がでる可能性が高い(ロシアの投資銀行トロイカ・ディアローグのアナリスト)。また、米国政府の試算によると、まだ発見されていない商業開発が可能な世界の石油・ガス資源の5分の1がバレンツ海に埋蔵されているという。
\トタルはこれまでに、ロシアガス最大手のガスプロムが行うバレンツ海のシュトクマン・ガス田開発に25%出資することで合意している。また、同2位のガス大手ノバテクとは、ヤマル半島のガス田の共同開発で合意。液化天然ガス生産プロジェクトへの25%の出資も狙っている。
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