2011/3/2

ハンガリー

リヒターの抗精神病薬、臨床試験を追加実施か

この記事の要約

ハンガリーの製薬最大手ゲデオン・リヒターは2月28日、非定型抗精神病薬「カリプラジン」の大うつ病性障害患者における第2相臨床試験(フェーズ2)で、プラセボと比較した統計学的に優位な有効性が認められなかったと発表した。しか […]

ハンガリーの製薬最大手ゲデオン・リヒターは2月28日、非定型抗精神病薬「カリプラジン」の大うつ病性障害患者における第2相臨床試験(フェーズ2)で、プラセボと比較した統計学的に優位な有効性が認められなかったと発表した。しかし、投与量の多いグループで効果を示唆する結果が得られたため、用量を変えて再度、第2相試験を実施することを検討している。カリプラジンは米フォレスト・ラボラトリーズと共同で開発している。

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臨床試験は231人の患者を対象に、8週間にわたって実施された。用量の違う2つのグループおよびプラセボグループの計3グループに分けて投与した。試験の前後でモントゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)を用いて症状の変化を調べた。

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治験中に何らかの障害を訴えて服用を中止した患者の比率(有害事象の発現率)は高用量グループで3%、低用量グループで1%、プラセボグループで3%だった。

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KBC証券のアナリスト、パールフィ氏は「統計学に有意な有効性が認められなかったのは残念」とコメント。リヒターの株価にマイナスの影響が出るだろうと話した。一方、大うつ病性障害の世界市場規模が推定2億米ドルと、カリプラジンの他の適用症である統合失調症(40億ドル)などと比べると小さい事実も指摘し、カリプラジンの商業価値に今回の試験結果が与える影響は限定的との立場を示した。

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