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2011/4/13

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ソフィア空港運営権で入札実施、大型改修と債務履行が条件に

この記事の要約

ブルガリア政府はこのほど、ソフィア国際空港の運営権を入札にかけることを決定した。旅客・貨物を含む運営の全般を投資家に任せることで、大型改修に必要な資金を調達する考え。詳細は運輸通信省が運営条件をめぐる経済分析を完了させる […]

ブルガリア政府はこのほど、ソフィア国際空港の運営権を入札にかけることを決定した。旅客・貨物を含む運営の全般を投資家に任せることで、大型改修に必要な資金を調達する考え。詳細は運輸通信省が運営条件をめぐる経済分析を完了させる3~4カ月後に発表する。

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これまでに固まっている入札条件には、◇新貨物ターミナルの建設◇新旅客ターミナルの建設◇新VIPターミナルの建設◇設備全般の改修◇新しい飛行機燃料(ケロジン)貯蔵施設の建設◇欧州投資銀行(EIB)及びクウェート経済開発ファンドに対する第2ターミナル建設資金の返済(2010年末現在で850万レフ)――が含まれる。なお、年末までに成立する予定の民間航空法改正案によると、ソフィア空港の使用料は運営元が設定できることになる見通し。

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運輸省は従来、貨物ターミナルに限って運営権を付与する方針を示していたが、大規模な近代化が必要なことから範囲を全事業に広げる立場に転換した。民間投資家に運営を任せることによって改修資金を呼び込み、他の欧州連合(EU)加盟国並みの施設とサービスを実現したい意向だ。

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政府は他の空港についても運営権の付与を進めている。北部のルセ近郊にあるシュトラクレヴォ(Shtraklevo)空港と中部のプロヴディフ国際空港の貨物ターミナルに関しては、先ごろ入札手続きを開始した。同じく中部にあるゴルナ・オリャホヴィツァ空港についても近く手続きがスタートする見通しとなっている。

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一方、黒海沿岸にあるヴァルナとブルガスの両空港については昨年、ドイツ・ブルガリア企業連合のフラポート・ツインスター・エアポートマネジメントが1,300万レフで運営権を獲得した。同連合の資本構成はドイツのフラポートが60%、ブルガリアのキムインポートが40%。

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ソフィア空港第2ターミナルは2001~06年に建設された。2億ユーロを超える総工費は、EUからの資金援助(Phare計画およびISPA計画)と、EIBおよびクウェート経済開発ファンドによる融資でまかなわれた。国営のソフィア空港運営会社は昨年1,400万レフの利益を計上した。(1BGN=61.90JPY)

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