2011/4/13

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

コソボ初の女性大統領誕生、憲法改正までの「つなぎ役」

この記事の要約

コソボ共和国議会は7日、コソボ警察高官で女性のアティフェテ・ヤティヤガ氏(35、無所属)を新大統領に選出した。連立与党のコソボ民主党(PDK)と新コソボ同盟(AKR)および最大野党のコソボ民主連盟(LDK)が統一候補とし […]

コソボ共和国議会は7日、コソボ警察高官で女性のアティフェテ・ヤティヤガ氏(35、無所属)を新大統領に選出した。連立与党のコソボ民主党(PDK)と新コソボ同盟(AKR)および最大野党のコソボ民主連盟(LDK)が統一候補として擁立したもので、前日の6日にクリストファー・デル米国大使の仲介で合意したばかりだった。

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3党は同時に、◇6~9カ月以内の憲法改正実現に向けて委員会を設置◇新憲法では大統領の直選制を採用◇憲法改正法発効から6カ月後に大統領選を実施◇次回の国政・地方選が実施される2013年までに選挙法を改正――でも合意。ヤティヤガ大統領は国民の直接選挙で大統領が選ばれるまでの暫定大統領という性格を帯びている。法学部卒でエリート警察官としてキャリアを積んできたが、政治経験はなく、その点が統一候補としてふさわしいとみなされた。

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ヤティヤガ大統領は、司法国家を目指すコソボの姿勢を表すシンボル的存在とされているが、議会第3党のヴェテヴェンドシェ(VV、「自己決定」の意味)は仲介役のデル大使をもじって「デロクラシー(Dell-ocracy)」と批判。コソボ未来同盟(AAK)も「大掛かりなショー」と非難している。

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今回の大統領選は、憲法裁判所が2月に実施された大統領選を違憲と判断したことを受けて行われた。選出要件である◇共和国議員の3分の2の得票◇最低2名の候補者の存在――を満たさなかったのが問題となった。

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