国際通貨基金(IMF)は11日に発表した最新の世界経済見通しで、欧州の新興14カ国(ポーランド、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ブルガリア、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、コソボ、マケドニア、モンテネグロ、セルビア、トルコ)の今年の平均成長率は3.7%となり、10年の4.2%から鈍化するとの予測を示した。ただ、堅調なトルコ経済が下支えとなり、来年は4.0%に回復するとしている。
\IMFは欧州新興国の経済見通しについて、「持続不可能なブームを経験したルーマニアのような国ではより回復が遅れる傾向にある」と指摘。主要国の今年と来年の成長率予測を、ポーランドは3.6%と3.8%、ハンガリーは両年とも2.8%、ルーマニアは1.5%と4.4%、ブルガリアは3.0%と3.5%、セルビアは3.0%と5.0%、トルコは4.6%と4.5%とした。IMFはユーロを導入しているエストニア、スロバキア、スロベニアと、導入を計画しているチェコについては欧州先進国に分類している。これら4カ国の今年と来年の成長率予測は、エストニアは3.3%と3.7%、スロバキアは3.8%と4.2%、スロベニアは2.0%と2.4%、チェコは1.7%と2.9%となっている。
\なお、IMFは欧州新興国の成長を左右するユーロ圏の経済見通しに関し、緩やかでまだら模様の回復を遂げつつあるとする一方で、周辺国の債務問題や銀行資産の質をめぐる不透明感が景気回復を妨げる可能性があると指摘。今年の成長率見通しは1.6%、来年は1.8%とした。
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