2011/5/4

総合・マクロ

墺エルステ銀、1-3月期はわずかに増益

この記事の要約

オーストリアの銀行大手で中東欧事業を展開するエルステ銀行は4月28日、2011年1-3月期の純利益が前年同期比2%増の2億6,6060万ユーロに微増したと発表した。これは市場の予想とほぼ同じ水準。貸倒引当金の積み増しや業 […]

オーストリアの銀行大手で中東欧事業を展開するエルステ銀行は4月28日、2011年1-3月期の純利益が前年同期比2%増の2億6,6060万ユーロに微増したと発表した。これは市場の予想とほぼ同じ水準。貸倒引当金の積み増しや業界特別税の負担でハンガリー事業が赤字転落し、足を引っ張った。

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ハンガリー事業は、貸倒引当金が38.8%増の7,730万ユーロに拡大。また、業界特別税である銀行税の納付額は1,350万ユーロに上った。この影響で最終損益は690万ユーロの黒字から3,180万ユーロの赤字に転落した。個人融資が回復しているものの、法人・抵当融資事業の不振を相殺できない状況だ。純金利収支は4.6%増の9,300万ユーロだった。

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エルステでは不良債権の拡大が予想よりも長引くとの見解を示しており、今後もハンガリー事業が連結業績に影を落とす見通しだ。

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エルステ銀のほか、ライフアイゼン銀行やウニクレディト銀行などの大手は、不良債権損失が縮小し、融資が拡大に転じれば、中東欧事業が再び稼ぎ頭になると見込んでいる。エルステ銀が今年の利益目標を達成できるかどうかは、ハンガリーとルーマニアの両事業の回復がカギとなる。

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