2011/5/11

ハンガリー

ハンガリー、公務員の退職金課税法を改正

この記事の要約

ハンガリー議会は10日、公務員退職金課税法の修正案を賛成276票、反対36票で可決した。憲法裁判所による6日の違憲判決を受けたもので、適用時期を2005年以降から2010年以降に変更した。オルバン首相は、2010年以降か […]

ハンガリー議会は10日、公務員退職金課税法の修正案を賛成276票、反対36票で可決した。憲法裁判所による6日の違憲判決を受けたもので、適用時期を2005年以降から2010年以降に変更した。オルバン首相は、2010年以降からしか課税できないというのは、ハンガリー国民の「真理感覚」に反しているとし、憲法裁の判断に異議を唱えている。

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退職金課税法は2010年7月に議会を通過し、同10月1日に発効した。350万フォリント(1万3,238ユーロ)を超える公務員退職金や、200万フォリントを超える公的企業職員の退職金に対し、2005年にさかのぼって98%の税率を適用することを内容としている。違憲判決を受けて、05~09年分の徴税額4億ユーロ相当が30日以内に納税者に還付されることとなる。同法に対しては、すでに退職金を支出してしまった低所得層を中心に強い抗議の声があがっていた。

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憲法裁判所は同法が5年前にさかのぼって適用される点を問題視。人権侵害に当たるとして今月6日、無効を宣言した。昨年10月にも同様の判決を下したが、オルバン首相率いる中道右派政権が改めて同一内容の法案を成立させていた。同時に、憲法改正を実施し、12年初めから国家債務が国内総生産(GDP)の50%に縮小するまで、年金を含む財政関連法の合法性を審査する憲法裁の権利をはく奪することを決めた。

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オルバン政権は、その強権的な手法に内外から疑問の声があがっている。欧州委員会の要請によりメディア法改正を強いられたのも記憶に新しい。国内では先ごろ、政府に公務員の無制限免職権を認めた法律にも違憲の判決が下っている。(1HUF=0.44JPY)

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