ロシア国家統計局が16日発表した2011年1-3月期の国内総生産(GDP)は前年同期に比べ4.1%増加し、前期に記録した4.5%から0.4ポイント後退した。主要輸出品である原油は四半期の伸び幅として最大の値上がりを示したが、設備投資の伸び悩みや資本流出が足を引っ張った。エネルギー価格の上昇でロシア経済が成長するという従来の図式は必ずしも成立しなくなってきたようだ。経済省は通期で4.2%、国際通貨基金(IMF)は4.8%の成長を予測している。
\1-3月期の資本収支は213億米ドルの赤字となった。昨年は通期で383億ドル、09年は569億ドルのマイナス。直近で資本収支が黒字だったのは07年で817億ドルだった。
\野村ホールディングによると、原油価格とロシア経済成長の比例関係が崩れつつある。12月の国会選挙と来年3月の大統領選挙を控えた政治の先行き不透明感から、資金を国内の設備投資よりも国外での投資に振り向ける傾向がみられるという。
\クドリン財務も先月21日、「1バレル当たり100ドルを越える原油価格がロシア経済を牽引する時代は過ぎ去った」と述べている。
\また、IMFは12日発表のリポートで、「資本流出の背景には、ロシア経済が抱える問題の解決に向けた動きがみられないとの投資家の判断がある」との推測を示した。
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