2011/6/1

CIS諸国

ウクライナ、ガス輸送料収入が7億ドル減少

この記事の要約

ウクライナのガス輸送料収入が来年から7億~7億2,000万米ドル減少する見込みとなっている。ロシアとドイツを結ぶバルト海ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の開通を受けて、ロシアがウクライナを経由した対欧州ガス輸出を約 […]

ウクライナのガス輸送料収入が来年から7億~7億2,000万米ドル減少する見込みとなっている。ロシアとドイツを結ぶバルト海ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の開通を受けて、ロシアがウクライナを経由した対欧州ガス輸出を約200億立方メートル減らす方針のためだ。これは2010年の送ガス量の20%を超える規模。現地の複数メディアが報じた。

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年末に稼働する予定のノルド・ストリーム第1パイプラインの年間輸送能力は270億立方メートル。来年敷設される第2パイプラインも同じ輸送能力を備える。ノルド・ストリームでは2015年までに送ガス量を630億立方メートルに引き上げる計画だ。

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ウクライナは1,420億立方メートルの送ガス能力を持つが、昨年の輸送実績は950億立方メートルにとどまった。昨年、ロシアとの間で今後5年間の輸送量を年1,120億立方メートルとすることで合意したが、ロシアのガス市場調査会社、イーストヨーロピアン・ガス・アナリシスでは、2015年の輸送量がこれを大きく下回る500~550億立方メートルに落ち込むとみている。

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ロシアとウクライナはガス輸送をめぐり、たびたび衝突している。2009年初めにはその関係で欧州向けガス輸送が滞り、欧州が一時的にガス不足に陥った経緯がある。ロシアはこのため、ウクライナを迂回する輸送手段の整備に乗り出した。ノルド・ストリームのほか、黒海経由で中欧・南欧にガスを送る「サウス・ストリーム」が計画されている。

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