2011/6/15

総合・マクロ

バルカン地域経済、先行きに明るさ

この記事の要約

バルカン地域は、金融危機の打撃から回復軌道に乗りつつある。バルカン諸国は金融危機の影響で2009年は軒並みマイナス成長に陥った。しかし、危機を契機に金融・財政改革に取り組んだ結果、経済は再び落ち着きを取り戻しており、先行 […]

バルカン地域は、金融危機の打撃から回復軌道に乗りつつある。バルカン諸国は金融危機の影響で2009年は軒並みマイナス成長に陥った。しかし、危機を契機に金融・財政改革に取り組んだ結果、経済は再び落ち着きを取り戻しており、先行きに明るさが見えてきた。

\

世界銀行によると、今年のバルカン地域の成長をけん引するのはセルビア、ルーマニア、ブルガリアの3カ国で、成長率は5%に迫る見通し。アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、モンテネグロもプラス成長が見込まれる。

\

バルカン地域の国々は金融危機の際に、国際通貨基金(IMF)から金融支援を受ける条件として厳しい構造改革を義務付けられた。金融危機から2年半が経過した現在も、各国の財政状況は予断を許さない状況にあり、緊縮政策は今後も続くことになる。一般市民が景気回復を実感するのはまだ先のことになりそうだと、オーストリア日刊紙『ディー・プレッセ』は指摘する。セルビアを例に取ると、人口750万人のうち180万人が貧困ラインぎりぎり、あるいはそれ以下で生活しており、多くの国民が西欧に出稼ぎに行った親族からの送金に頼っている状態だという。

\