ロシアの国営天然ガス企業ガスプロムがドイツのエネルギー最大手エーオンの発電プロジェクトへの参加に関心を示している。同社のアレクセイ・ミレル社長が17日にサンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムで明らかにした。同社長は今月初めにもエーオンまたは同社の天然ガス子会社エーオン・ルールガスへの出資に関心があると表明。脱原発を決めたドイツでのガス需要の増加を見込み、市場参入に攻勢をかけている。
\ミレル社長によると、エーオンは原発に代わる発電能力を確保するため、10~12基のガス火力発電所の建設を計画しており、ガスプロムはこれらのプロジェクトへの参加に関心があるという。また、昨年10月に凍結された独ルブミンでのガス発電所の共同建設計画についても、再開の可能性があると期待を示した。
\エーオンとガスプロムは2008年に折半出資で合弁会社を設立し、バルト海沿岸のルブミンに出力1,200メガワットのガスコンバインドサイクル発電所を建設・運営することで合意。今年の稼働を予定していたが、低調な電力需要と高額な建設コストで採算が取れないと判断し、昨年、凍結を決めた経緯がある。ルブミンは両社が共同で建設を進めているバルト海パイプライン「ノルド・ストリーム」の上陸地点に近いため、同パイプラインで供給される天然ガスを発電所の燃料とすることを予定していた。
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