欧州統計局(ユーロスタット)が20日発表した欧州連合(EU)加盟国の賃金統計で、中東欧諸国の賃金上昇率が他のEU諸国に比べて高い傾向が明らかになった。また、最も上げ幅が大きかったブルガリアが7.8%の上昇を示したのに対し、財政危機にあえぐギリシャでは6.6%減少するなど、EU内の差も広がっている。
\1時間あたりの労働コストは今年第1四半期、ユーロ圏で前年同期比2.6%増加した。EU全体では2.7%だった。
\中東欧ではブルガリアのほか、ハンガリー(5.6%)、ルーマニア(4.5%)、スロバキア(3.8%)、チェコ(3.5%)、ポーランド(3.5%)、ラトビア(2.9%)がEU平均を上回った。スロベニアは2.7%で平均並み。平均を下回ったのはエストニア(1.9%)とリトアニア(1.2%)の2カ国のみだった。
\産業別でみると、製造業ではユーロ圏平均が2.8%増、建設業とサービス業がそれぞれ2.5%増加した。EU27カ国では製造業が3.1%増、建設業が2.3%、サービス業が2.6%だった。
\中東欧諸国の製造業賃金は、ハンガリーで6.2%の大幅な増加を示した。ルーマニア(4.5%)、ブルガリア(4.4%)、スロバキア(4.1%)、ラトビア(3.8%)、チェコ(3.7%)、エストニア(3.7%)、ポーランド(3.6%)もEU平均を上回った。平均以下だったのは、スロベニア(3.0%)とリトアニア(0.2%)だけだった。
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