2011/6/29

チェコ・スロバキア

チェコで原子力発電への懸念高まる、昨年から12ポイント増加

この記事の要約

福島第一原発事故を機に、原発新設を計画しているチェコでも原子力の利用に対する懸念が高まっている。同国の世論調査機関CVVMが5月に実施した調査によると、原発が怖いと考えている人は60%と、1年前に比べ12ポイントも増加。 […]

福島第一原発事故を機に、原発新設を計画しているチェコでも原子力の利用に対する懸念が高まっている。同国の世論調査機関CVVMが5月に実施した調査によると、原発が怖いと考えている人は60%と、1年前に比べ12ポイントも増加。調査を開始した2002年以来で最も多くなった。ただ、ごみ処理や飲料水確保などの問題のほうが、「深刻」と考える人の比率が高く、優先順位はあまり高くないようだ。

\

「とても深刻」、「かなり深刻」と答えた人の比率が最も高かったのはごみ問題で、前年同月比1ポイント増の93%に上った。飲料水汚染は2ポイント減の91%、飲料水不足は5ポイント減の85%だった。調査対象となった11項目のうち、原発は遺伝子組み換え作物の52%に次いで下から2番目だった。

\

1年前からの変化をみると、原発については「とても深刻」と考える人が昨年より9ポイント高い27%に達した。「かなり深刻」も4ポイント増の33%となった。

\

CVVMの調査は5月2~9日にわたり、15歳以上の1,115人を対象にインタビュー形式で実施された。

\

\

■IAEAはドゥコヴァニー原発の安全を評価

\

\

チェコで最も古いドゥコヴァニー原発の安全管理状況を調査していた国際原子力機関(IAEA)の運転管理評価チーム(OSART)はこのほど、同原発が安全に運営されているとの評価を下した。OSARTはエラー防止機器の使用や放射漏れ事故の際の緊急避難および従業員保護計画について改善を勧告したほか、11の運転プロセスで改善を提案したものの、全体としては安全に管理されていると評価。特に、電源喪失による停電を想定したシミュレーション訓練や社員の採用・研修など人事面の管理については、他の原発事業者に推薦できると高く評価した。

\

ドゥコヴァニー原発は1985年に稼働を開始。OSARTの調査を受け入れたのは、今回で3度目となった。

\

チェコでは他にテメリン原発が稼働しており、政府は同原発で原子炉2基の新設を計画している。

\
ハンガリー
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |