2011/7/13

ロシア

ガスプロムとIES、新電力会社設立で合意

この記事の要約

ロシア国営ガス会社ガスプロムと同国の実業家ヴィクトル・ヴェクセリベルク氏は7日、国内最大の電力会社を設立するため、双方の電力資産を統合することで合意した。ガスプロムの電力子会社ガスプロムエネルゴホールディングがヴェクセリ […]

ロシア国営ガス会社ガスプロムと同国の実業家ヴィクトル・ヴェクセリベルク氏は7日、国内最大の電力会社を設立するため、双方の電力資産を統合することで合意した。ガスプロムの電力子会社ガスプロムエネルゴホールディングがヴェクセリベルク氏率いる電力グループIESホールディングの電力資産を買収し、合弁電力会社を設立。IESは同合弁会社の株式を少なくとも25%プラス1株、取得する。独禁当局の承認を経て、年内の取引成立を目指すという。現地英字紙『モスクワ・タイムズ』が7日報じた。

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ガスプロムは電力子会社を通じて、モスクワ地方の電力供給を手がけるモスエネルゴ、電力卸売会社OGK-2とOGK-6 、地方電力会社TGK-1を所有。これらの企業の総発電能力は36ギガワット(GW)で、ロシア全体の17%を占める。また、IESが所有する地方電力会社4社(TGK-5、6、7、9)の総発電能力も16GWに上るため、新合弁会社は国内発電能力の25%を握ることになる。ガスプロムのアレクセイ・ミレル社長は合意書の調印式で、「新合弁会社は独エーオンや仏EDFのような大手企業と肩を並べる」と述べた。

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ただ、連邦独占禁止局のイーゴリ・アルテモフ局長は、ガスプロムがすでに多くの電力資産を保有していることから、今回の取引を「望ましくない」とみている。同国の大手銀行アルファバンクも、IESが国内で数少ない民間電力会社であることを指摘。国営ガスプロムとの統合は「ロシア電力市場の競争を阻害する」と懸念を示した。

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