2011/7/27

ロシア

ルノー、モスクワ工場がフル稼働

この記事の要約

仏自動車大手のルノーは21日、ロシアで自動車の需要が増大していることに対応し、モスクワ近郊にある工場を年産16万台のフル稼働体制で操業していると発表した。また、現地最大手のアフトワズにルノーおよび日産ブランド車の生産を委 […]

仏自動車大手のルノーは21日、ロシアで自動車の需要が増大していることに対応し、モスクワ近郊にある工場を年産16万台のフル稼働体制で操業していると発表した。また、現地最大手のアフトワズにルノーおよび日産ブランド車の生産を委託する計画も順調に進んでいるという。来年には日産車、再来年にはルノー車の生産が始まる予定だ。

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ルノーは今年のロシア自動車販売台数が前年比40%増の270万台に上昇すると予測している。欧州ビジネス協会予測値である235万台と比べ、楽観的な数値だ。金融危機からの経済回復と政府の新車買い替え奨励措置が追い風となり、2015~16年には400万台のピークを迎えるとみている。

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この見通しを踏まえ、ルノーが25%出資するアフトワズのトリヤッチ工場(年産能力:90万台)でルノーおよび日産ブランド車を委託生産する準備を進めている。2016年には日産と共同で160万台を売り上げ、40%のシェアを確保する目標だ。

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アフトワズは来春、「ラーダ」ブランドの新モデル2車種の出荷を開始する。その後、来年中に日産車、2013年にルノー車の製造がスタートする見通しだ。

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また、2013年からはルノー、ダチアブランドのパワートレインを生産する予定。ルノー「メガーヌ」、ダチア「サンデロ」のほか、ラーダの新型車向けにガソリンエンジンおよびギアボックスを生産する。

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ルノーは日産と共同でアフトワズの経営権獲得を目指している。政府もこの計画を後押ししており、ゴーン会長は年末までに交渉を完了させたい考えだ。先月のアナリスト説明会ではルノーが35%、日産が15%を取得する方針と話した。アフトワズ株の36.5%はロステクノロジーが、20%は投資銀行のトロイカディアローグが保有する。

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成長著しいロシア市場での地盤を確保するため、ルノーのほか、フォルクスワーゲンやフォード、フィアットなどの自動車大手が大型投資に動いている。ロシア政府が部品輸入関税免除の条件として、現地生産規模を30万台に引き上げることを要求したことがその背景にある。

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