2011/8/3

ロシア

独シーメンス、露パワーマシーンと戦略提携

この記事の要約

総合電機大手の独シーメンスは7月28日、ロシアの発電機メーカー、パワーマシーンとタービン事業で合弁契約を結んだ。新興市場に注力して売り上げを伸ばす戦略に沿い、ロシアでの勢力を拡大する狙い。ロシアをはじめとする独立国家共同 […]

総合電機大手の独シーメンスは7月28日、ロシアの発電機メーカー、パワーマシーンとタービン事業で合弁契約を結んだ。新興市場に注力して売り上げを伸ばす戦略に沿い、ロシアでの勢力を拡大する狙い。ロシアをはじめとする独立国家共同体諸国向けにガスタービンの設計、製造、保守サービスを展開する。

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パワーマシーンの1日付プレス発表によると、サンクトペテルブルクを本拠とする合弁会社を設立する。出資比率はシーメンスが65%、パワーマシーンが35%。シーメンスは合弁会社の経営権を握る代わり、パワーマシーンの少数阻止株25%プラス1株を、パワーマシーンの過半数株主であるHighstatに売却する。取引額については明らかにしていない。

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シーメンスのレッシャー社長は連結売上高を現在の700億ユーロから1,000億ユーロに伸ばす中期目標を掲げる。その達成にはロシアなど新興諸国での増収がカギを握るとみられる。実際、ロシア売上高の伸びは目覚しく、レッシャー社長が就任した2007年の12億ユーロから今年は30億ユーロを大きく上回る見通しだ。

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福島第一原子力発電所の事故を受けた原発事業の見直しにともない、シーメンスはロシア原子力公社(ロスアトム)との提携計画を修正した。これでロシアとの関係が悪化するとの見方もあったが、交渉の結果、計画と異なる形で提携関係を築く方向で一致し、懸念は解消された。

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ロシア側は、実現こそしなかったものの、シーメンスがロスアトムと提携する決断をした事実を高く評価しているもようだ。

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