2011/8/24

ロシア

ノリリスクニッケル、ルサールに自社株15%の買収を提案

この記事の要約

ニッケル世界最大手のノリリスクニッケルは19日、アルミ最大手のルサールが保有する自社株15%を87億5,000万米ドルで買い戻すことを提案した。ノリリスクの経営権をめぐるオーナー間の争いを終結させる狙い。ルサールが提案を […]

ニッケル世界最大手のノリリスクニッケルは19日、アルミ最大手のルサールが保有する自社株15%を87億5,000万米ドルで買い戻すことを提案した。ノリリスクの経営権をめぐるオーナー間の争いを終結させる狙い。ルサールが提案を拒否すれば、他の株主に同じ条件で買収を申し出る方針だ。ルサールは昨年12月に25%、今年3月には20%に対する買収提案を蹴っており、アナリストは条件の悪い今回の提案が受け入れられる可能性は低いとみている。

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ノリリスクをめぐって争っているのは、親会社インターロスホールディングを率いるポターニン氏と、ルサールのオーナー、デリパスカ氏だ。出資比率はインターロスが約30%、ルサールが25%となっている。

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今回の提案額は1株あたり306ドルで、過去6カ月間の平均株価を20%上回る。前回の提案では335ドルだったため、ドイツ銀行ではルサールが今回も拒否するのはほぼ間違いないとみている。ノリリスクは買い戻しの代案として、他の株主に同じ条件で買収を提案する方向だ。

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同社のブグロフ社長は今月12日、自社株購入に関し、買い戻した株式を消却する可能性を示している。ロシア法では、株式消却によって株式保有率が一定の割合を超えた場合、公開買い付けの義務がなく、競争当局の許可も保有率が50%以下では必要がない。ノリリスクはこの点を踏まえて取引の計画を練っているもようだ。

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ドイツ銀行では、ルサールが提案を拒否した場合、インターロスが買い戻し期間内に保有株の一部を提示額で売却し、市場で改めて購入して出資比率を増やす可能性を指摘している。

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■オーナー争いで信用格下げ

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株主の争いはノリリスクニッケルの信用低下にもつながっている。米格付け会社のフィッチは19日、株主の対立と2010年度財務報告の遅れを理由に、格付けを投資不適格の「BBプラス」へと一段階引き下げた。スタンダード・プアーズとムーディーズも今月、格付けの見直しを予告した。

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ポターニン氏とデリパスカ氏の確執は2年半以上続いている。今回の対立のきっかけはノリリスク取締役の選任だった。当時、出資比率が同じだったのにも関わらず、ルサールの代表者3人に対してインターロスが代表者4人を送り込んだことで争いの炎が燃え上がった。

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