2011/8/31

ロシア

ルサール、上期は20%減益

この記事の要約

ロシアのアルミ最大手ルサールが29日発表した2011年上半期決算の純利益は前年同期比20.5%減の10億8,500万米ドルに縮小した。前年同期に特別利益を計上した反動に加え、利払いの増大や25%を保有する非鉄大手ノリリス […]

ロシアのアルミ最大手ルサールが29日発表した2011年上半期決算の純利益は前年同期比20.5%減の10億8,500万米ドルに縮小した。前年同期に特別利益を計上した反動に加え、利払いの増大や25%を保有する非鉄大手ノリリスク・ニッケル株式の下落による評価損の計上、コスト増が響いた。非キャッシュ項目を除いた調整済み純利益は24.5%増の5億5,900万ユーロだった。

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売上高は前年同期比18.8%増の63億2,300万ドル。調整済みEBITDA(利払い・税・償却前利益)は7.5%増の14億2,500万ドルだった。原材料価格の上昇がアルミ価格の上昇を上回り、EBITDAマージンは24.9%から22.5%に減少した。

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上期の主要商品生産量は、アルミが前年同期比1%増の202万トン、アルミナが8%増の403万トン、ボーキサイトが23%増の662万トンといずれも増加した。アルミ生産では高付加価値製品のシェアが37%となり、前年同期の29%からさらに上昇した。

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ルサールは今後の見通しについて、アルミ需要は引き続き増加すると予想。需要増でアルミ価格の引き上げが容易になり、原材料や電力コスト、人件費の上昇分を相殺できるとの期待を示した。需要を支えるのは自動車産業で、今年4-6月期に減少した米国の自動車生産も通年では前年から8%増える見通し。欧州では5%、特にドイツは9.5%、トルコは10%の伸びを見込んでいる。また、中国、インド、ブラジル、ロシアなど新興国からの需要が順調で、今年通年の需要は前年比13%増の4,600万トンになると予想した。

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ルサールの6月末時点の債務残高は114億ドル。前年同月末から8億ドル縮小した。3、4月にはルーブル建て社債の発行で16億7,000万ドル、キャッシュフローの改善で6億ドルを債務返済に充てた。また、ズベルバンクに対する債務45億8,000万ドルの償還期限を2013年12月から16年8月に延期することで同行と合意した。

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