2011/9/7

チェコ・スロバキア

チェコの電気料金、ソーラーブームで上昇

この記事の要約

チェコのエネルギー規制局(ERU)によると、昨年のソーラーブームは今後15年の国内電気料金に大きな影響を与えそうだ。政府は電気料金の上昇を抑制するために、毎年数十億コルナの補助金を投入する必要があるという。ERUのアレー […]

チェコのエネルギー規制局(ERU)によると、昨年のソーラーブームは今後15年の国内電気料金に大きな影響を与えそうだ。政府は電気料金の上昇を抑制するために、毎年数十億コルナの補助金を投入する必要があるという。ERUのアレーナ・ヴィタシュコバ局長が8月31日、現地CTK通信とのインタビューで明らかにした。

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チェコでは手厚い補助制度を背景に太陽光発電が急成長し、昨年の新規設置容量は1,264メガワット(MW)とドイツ、イタリアに続き世界3位となった。ただ、再生可能エネルギーに対する政府の支援措置は最終的には電気料金の引き上げという形で消費者に転嫁されるため、同負担を軽減する措置が不可欠となっている。

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ヴィタシュコバ局長は、電気料金の上昇率が20~30%になると、国内企業の国際競争力は大幅に低下し、国内での生産が不可能になると指摘。上昇率を10%以下に抑えるため、今年だけで117億コルナが必要になると見込んでいる。

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政府は昨年末、ソーラーブームにブレーキをかけ、電気料金の上昇を抑えるため、太陽光発電に対する課税などを柱とした法案を可決した。3年間の時限立法で、太陽光発電による電力に26%課税する。09年と10年に稼動を開始した発電施設が課税対象となるが、建物の屋根と壁に設置された発電設備で、出力が30キロワット以下のものは対象外となる。国内外の投資家は同措置に反対し、政府を提訴する構えを見せている。

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ヴィタシュコバ局長は同国の将来のエネルギーミックスについて、再生可能エネルギーは一定の役割を果たすとし、2013年までに欧州連合(EU)が求める国内エネルギー消費に占めるシェア13%を達成できるとした。ただ、再可エネだけでは国内の供給安定を確保できないとして、原発、天然ガスのシェアも引き上げるべきとの見解を示した。(1CZK=4.43JPY)

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