2011/9/14

CIS諸国

仏トタル、アゼルのカスピ海沖で大規模ガス田を発見

この記事の要約

仏石油大手トタルは9日、アゼルバイジャンのカスピ海沖で大規模なガス田を発見したと発表した。フランスをはじめとする欧州連合(EU)諸国は将来的にカスピ海産ガスの輸入を大幅に増やしたい考えで、今回のガス田発見に大きな期待を寄 […]

仏石油大手トタルは9日、アゼルバイジャンのカスピ海沖で大規模なガス田を発見したと発表した。フランスをはじめとする欧州連合(EU)諸国は将来的にカスピ海産ガスの輸入を大幅に増やしたい考えで、今回のガス田発見に大きな期待を寄せている。

\

トタルによると、新ガス田(アブシェロン×2)のガスおよびコンデンセートの埋蔵量は、最初の掘削の結果、数兆立方メートルに上る可能性があるという。同ガス田の開発は、トタルとアゼルバイジャンの国営石油会社SOCAR、仏GDFスエズの合弁事業で、トタルとSOCARが各40%、GDFスエズが20%の権益を握っている。

\

EUは、北海の天然ガス生産量が減少しているうえ、ロシア、北アフリカへのガス依存度を引き下げたいという考えから、カスピ海沖のガスに注目しており、すでに、ロシアを迂回してカスピ海産ガスを欧州に供給する複数のパイプラインの建設計画を進めている。

\

SOCARは今年6月、2020~25年に年250億~300億のガスを輸出する計画を発表。そのうち、英BPが主導するカスピ海沖シャーデニス・ガス田の第2期開発から年100億立方メートルを欧州に振り分けると約束した。ただ、同量はEUが支援する最大のパイプライン計画「ナブッコ」のフル稼働時の輸送能力(310億立方メートル)には遠く及ばないため、同計画の実現が危ぶまれていた。

\

今回、大型のガス田が見つかったことで、アゼルバイジャンは欧州向けのガス輸出を大幅に拡大できる可能性が出てきた。EUが支援するパイプライン計画の進捗にもつながると期待されている。

\