2011/10/5

ハンガリー

中国化学メーカーの新工場稼働

この記事の要約

中国の化学メーカー、万華実業集団のハンガリー子会社ボルショドケム(BorsodChem)が新設した工場が9月30日に操業を開始した。同工場の総工費は2億ユーロ。北東部カズィンツバルツィカにある同社の生産拠点に建設された。 […]

中国の化学メーカー、万華実業集団のハンガリー子会社ボルショドケム(BorsodChem)が新設した工場が9月30日に操業を開始した。同工場の総工費は2億ユーロ。北東部カズィンツバルツィカにある同社の生産拠点に建設された。ポリウレタン原料のトリレンジイソシアネート(TDI)を生産する工場で、年産能力は160キロトン。需要に応じて200キロトンまで拡大できる。同社によると、現在は市場動向が不安定なため、フル稼働は見込めないという。

\

万華実業集団は昨年6月にボルショドケム株38%を取得。今年2月には残り株取得のオプションを行使して、株式保有率を96%まで引き上げた。中国の金融機関からの融資を活用してカズィンツバルツィカの生産拠点を拡張し、欧州事業を強化していく方針だ。

\

ボルショドケムはTDIの生産で欧州2位、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)で同5位のシェアを持つ。万華はMDI生産でアジア最大手であり、ボルショドケム買収で世界3位のイソシアネートメーカーに躍進した。

\

新工場の竣工式に参列したハンガリー国家開発省のJanos Fonagy政務次官は、「新工場の稼働はハンガリーの化学産業およびハンガリーと中国の協力関係にとって画期的な出来事だ」と述べ、今後の発展に期待を示した。

\