ドイツの水力発電設備大手フォイトハイドロがロシア事業を強化する。ロシア水力発電最大手のルスギドロが操業するサラトフスカヤ発電所で、カプランタービンの近代化工事を行うほか、同社と現地での合弁生産に向けた基本合意書を取り交わした。新設・更新需要が大きいロシアでの事業拡大を狙う。
\ロシア南西部に位置するサラトフスカヤ発電所では、水車ランナの直径が10.3メートルという世界最大級のカプランタービンを改修する。地元企業と共同で工事を進める。フォイトハイドロの受注額は1億4,000万ユーロと、単独プロジェクトとしては同社にとって最大級の大型受注だ。
\現地生産に向けてはルスギドロと合弁で会社を設立する。ロシア水力発電市場の成長を見込んでのことだ。
\ロシアは利用可能な水力発電能力が年間852テラワット時に上るが、これまでに開発されたのはこのうち17%に過ぎない。また、既設タービンの20%は使用年数が40年を超えており、近代化需要も大きい。
\ルスギドロが運営する水力発電所の出力は合計26ギガワット。今後数年で、発電所の新設とともに、既存設備の改修に取り組む計画だ。
\フォイトハイドロは機械メーカー、フォイトグループの水力発電事業で、2010年9月通期決算では12億ユーロの売上高を計上した。
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