2011/10/26

総合・マクロ

EBRDが中東欧の成長見通しを下方修正、CIS諸国は堅調

この記事の要約

欧州復興開発銀行(EBRD)は18日、東欧と中央アジア29カ国の2011、12年の予想経済成長率を前回(7月)から下方修正した。11年は4.8%から4.5%に、12年は4.4%から3.2%に引き下げた。特に中欧・バルト諸 […]

欧州復興開発銀行(EBRD)は18日、東欧と中央アジア29カ国の2011、12年の予想経済成長率を前回(7月)から下方修正した。11年は4.8%から4.5%に、12年は4.4%から3.2%に引き下げた。特に中欧・バルト諸国と南東欧については、長引くユーロ圏債務危機の影響で同地域の経済成長が大幅に減速しているとして、12年の成長率をそれぞれ3.4%から1.7%、3.7%から1.6%に大幅に下方修正した。

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EBRDは7月時点ではユーロ圏の債務危機の波及は抑制されるという「比較的良好な外部環境」を想定していた。しかし現在はエスカレートする危機が貿易や金融機関の密接な関係を通じて東欧に悪影響を与えていると指摘。ユーロ圏問題の影響は最終的には食い止められるものの、長期にわたり続くとの見通しを示した。

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EBRDはまた、東欧・中央アジアで事業展開する伊ウニクレディト、墺エルステグループ、仏ソシエテジェネラルなどの西欧の大手銀行が、保有するギリシャ国債に絡んで大きな損失を被れば、東欧地域の子会社も大きな影響を受けると指摘。08年にリーマンブラザーズが破たんした時のような事態の再来を防ぐため、欧州のリーダーに対し、リスク抑制に向け努力するよう求めた。

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■CIS諸国は堅調に推移

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一方、ユーロ圏の債務危機によって中東欧の経済成長の鈍化が懸念されるなか、ロシアおよび独立国家共同体(CIS)の経済は堅調に推移する見通しだ。新興国でのコモディティー需要拡大による価格上昇が下支えとなるとして、ロシアについては11年が4%、12年は4.2%との見通しを示した。他のCIS諸国についても、カザフスタンが11年が7%、12年が6%、キルギスが6.0%と4.0%、タジキスタンが6.5%と5.0%、トルクメニスタンが10.0%と8.0%、ウズベキスタンが7.5%と6.0%と、いずれも全体平均を上回る成長が予想されている。

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EBRDは1991年以降、ロシアに180億ユーロを投資している。先月には低層住宅の建設プロジェクトに2,000万米ドルを投資した。

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