2011/10/19

ロシア

ロシア鉱工業生産の伸び鈍る、9月は3.9%に

この記事の要約

ロシア国家統計局(ロススタット)が17日発表した9月の同国鉱工業生産高は前年同月比で3.9%増となり、2009年10月に拡大に転じて以来、最も小幅な伸びにとどまった。ブルームバーグ通信の調べによるアナリスト15人の予測を […]

ロシア国家統計局(ロススタット)が17日発表した9月の同国鉱工業生産高は前年同月比で3.9%増となり、2009年10月に拡大に転じて以来、最も小幅な伸びにとどまった。ブルームバーグ通信の調べによるアナリスト15人の予測をいずれも下回り、予測中央値の5.5%との差は1.6ポイントに上った。前月比では0.8%縮小し、減速傾向が明確となっている。8月は前年同月比6.2%増を記録していた。

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部門別でみると、鉱業は前年同月比で1.4%増加したが、伸び率は8月に比べ1.9ポイント低下した。製造業と公益事業もそれぞれ2.7ポイント減の4.4%、2.1ポイント減の0.2%と伸び率が縮小した。

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■企業も見通し修正

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国外新規受注が3カ月連続で減少したことから、経済の減速は一時的なものにとどまらないとの見方が強まっている。

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モスクワ開発センターのミロノフ主任エコノミストは13日のブルームバーグ通信の取材に対し、「下半期に経済が加速するとの政府見通しに立ち、企業は売上の増加よりも速いペースで生産を伸ばしてきたが、ここにきて予測の修正を迫られている。設備投資との結びつきが強い機械メーカーや建設会社に加え、輸出産業では金属メーカーと石炭会社が特に大きな打撃を受ける」との予測を明らかにしている。

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ロススタットの14日発表によると、9月の生産者価格は前年同月比で18%上昇した。投資銀行のウラルシブ・ファイナンシャルでは、「先進工業国の経済減速リスクが高まっていることから、企業は価格引き上げに慎重となる」とみて、生産者価格の上昇率が通年で12.1%にとどまると予測している。

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