2011/10/26

総合・マクロ

ロシア、WTO加盟に関する協議でEUと妥結

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は21日、ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟に関する二者間協議で、自動車や農産品などの分野で残されていた問題について最終合意に達したと発表した。ロシアはすでに米国など大半の主要国との間で二国間 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は21日、ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟に関する二者間協議で、自動車や農産品などの分野で残されていた問題について最終合意に達したと発表した。ロシアはすでに米国など大半の主要国との間で二国間協議を終了しており、WTO加盟国との多国間交渉を経て年内にも加盟が実現する可能性が高まっている。

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ロシアは1993年にWTOへの加盟申請を行い、EUとは2004年に輸入関税率やサービス分野の自由化などに関する交渉が妥結。昨年11月にはロシアの輸出税制や鉄道料金をめぐる問題でも合意に達し、EUはロシアのWTO加盟について正式に支持を表明した。しかし、今年に入り、ロシアでは自動車組み立て用部品の輸入に関する規定が改定され、外国メーカーが関税の減免措置を受けるための条件として、部品や原材料の現地調達率の引き上げや技術移転が義務づけられるなど、新たな問題が浮上。双方の間で問題解決に向けた協議が重ねられていた。  

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欧州委によると、自動車部品に関しては、ロシア側の新規定によってEUからの輸出が大幅に落ち込んだ場合の補償スキームで双方が合意した。具体的な内容は明らかにされていないが、欧州委のデグフト委員(通商担当)は「域内における自動車および自動車部品産業の雇用を守ることができる」と強調している。

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今回の協議ではこのほか、ロシアからEU向けの木材の輸出割当制度、EU産農産物の輸入関税、欧州の航空会社がロシア政府に支払うシベリア上空通過料についても合意が成立した。

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デグフト委員は「二者間協議で残されていた問題はすべて解決し、年末までにロシアがWTOへの加盟を果たす道筋がついた」と説明。そのうえで、ロシアにとって南オセチアとアブハジアの分離・独立をめぐるグルジアとの紛争を解決することがWTO加盟の条件になると指摘し、EUとして交渉の仲介役を務める用意があると述べた。

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