2011/10/26

ロシア

クドリン前財務相、政府の経済政策を批判

この記事の要約

ロシアのメドベージェフ大統領との対立により先ごろ解任されたクドリン前財務祖は、18日付けの有力経済紙『コメルサント』に掲載された公開書簡の中で、政府が石油収入に依存してリスクの高い経済政策を推進していると批判し、よりバラ […]

ロシアのメドベージェフ大統領との対立により先ごろ解任されたクドリン前財務祖は、18日付けの有力経済紙『コメルサント』に掲載された公開書簡の中で、政府が石油収入に依存してリスクの高い経済政策を推進していると批判し、よりバランスのとれた成長に向けての提言を行った。

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クドリン氏は、年金の増額と公務員給与の引き上げ、軍備増強、産業の近代化を同時に進める政府の方針は財政赤字の拡大につながると指摘。主要20カ国(G20)会議で求められている、2013年までに財政赤字を2009年の半分以下に削減するという目標の達成が困難になるとの見方を示した。また、ロシアの成長を支えている原油の価格は今のところ歴史的な高水準にあるものの、この水準が続くという保証はなく、仮に価格が1バレル当たり60米ドルに下落した場合、財政赤字が国内総生産(GDP)に占める割合は5.5%に拡大。赤字の補てんに利用される準備基金は1年で底を突くと警告した。

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同氏はまた、財政赤字を削減するため、歳出削減や増税は不可避であると強調し、2015年の想定原油価格を1バレル当たり90ドルで収支が均衡するよう予算を策定すること、インフレや為替、外貨準備に大きな影響を与える余剰石油収入の支出については厳格なルールを設けること、軍事支出の見直しや社会保障費のカットを行い、経済成長促進のためのプロジェクトに投資することなどを提案した。

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クドリン氏は先月、来年三月の大統領選後に首相就任が予想される大統領との経済政策の対立をめぐり、次期政府への入閣拒否を表明。大統領が辞任を求め、同26日に辞表を提出し受理された。

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